スキー・スノーボードを愛する皆さん、こんにちは。 皆さんは、「ホーム」と呼べるスキー場がありますか?
私にとってのホーム、それは長野県木曽郡にある**「おんたけスキー場(旧:おんたけ2240)」**です。 大学生の頃から社会人になった今に至るまで、シーズンになれば毎週のように通い詰め、私の青春のすべてを捧げたと言っても過言ではない場所。
今、このスキー場は経営の危機に瀕し、存続の是非が議論されています。 しかし、あそこでしか味わえない「最高の体験」を知る者として、黙ってはいられません。今回は、私自身の思い出と共に、おんたけスキー場の唯一無二の魅力を語り尽くしたいと思います。

1. 魂を奪われる「おんたけブルー」と雪質の正体
おんたけスキー場を語る上で欠かせないのが、**「おんたけブルー」**という言葉です。 標高2,240mという、国内でも屈指のハイアルパイン・エリア。そこに広がるのは、都会では決して見ることのできない、突き抜けるように深く、濃い、吸い込まれそうな青空です。
その真っ青な空と、どこまでも白い雪のコントラスト。 この景色の中に身を置くだけで、日々の悩みや仕事の疲れなんて、瞬時に吹き飛んでしまいます。
標高が高いからこその「究極の粉雪」
おんたけの雪質がなぜこれほどまでに素晴らしいのか。その理由は、シンプルに**「標高」**にあります。 ベース地点ですら他のスキー場の山頂付近に匹敵する高さがあるため、気温が極めて低く、雪の結晶が壊れません。
一度滑ればわかりますが、ここの雪は「軽い」のではなく「乾いている」のです。 春先になっても、他のスキー場がザラメ雪になる中で、おんたけだけはトップシーズンさながらのドライな質感を保っている。これは奇跡に近い環境です。
2. 攻略せよ!思い出の「7A」と最後の急斜面

私がおんたけに通い詰めた最大の理由は、そのコースレイアウトの面白さにあります。
コブ好きの聖地「7Aコース」
特筆すべきは、**「7A」**と呼ばれるコースです。 ここのコブ斜面は、斜度がとにかく絶妙。攻めがいがあるけれど、リズムを掴めば最高に気持ちよく回せる。 大学生の頃、仲間と競うようにして7Aに飛び込み、膝が笑うまで何度も何度もループしたのは良い思い出です。あの「攻略している感」は、他のスキー場ではなかなか味わえません。
「一人前」への登竜門、最後の急斜面
そして、コースの締めくくりに待ち構えているのが、あの**「最後の急斜面」**。 ここをいかに格好良く、完璧にコントロールして滑り降りるか。それが、おんたけに通うスキーヤーにとっての「一人前の証」でした。
「今日こそは完璧に攻略してやる!」と意気込んで挑むものの、最後の一踏ん張りでバランスを崩したり、雪面に跳ね返されたり……。悔しくて、でも楽しくて、またリフトに乗ってしまう。そんな魔力が、あの斜面にはあります。
3. 「不便さ」は「贅沢」の裏返し
正直に言いましょう。おんたけスキー場へのアクセスは、決して楽ではありません。
他のスキー場がインターチェンジからすぐ、あるいは緩やかな道で着くのに対し、おんたけは延々と山道を登り続ける必要があります。標高が高いということは、それだけ険しい道を越えなければならないということです。
しかし、その**「不便さ」こそが、最高の環境を守っている**とも言えます。
- 登り切った者だけが拝める、目の前にそびえ立つ御嶽山の圧倒的な迫力。
- 眼下に広がる木曽の山々の大パノラマ。
あの景色を眺めながらのランチや休憩は、まさに「贅沢なひととき」そのもの。アクセスの悪さを補って余りある、非日常の感動がそこにはあります。
4. スキーヤー・スノーボーダーに優しい「お得感」
経営の厳しさが報じられる一方で、おんたけスキー場は常にユーザー目線での努力を続けてくれています。
- 駐車場が無料: 最近では有料化するスキー場が増える中、これは本当にありがたい。
- 特別デーの割引: 特定の日にはリフト券が大幅に割引されるなど、通いやすさを支えてくれる施策が充実しています。
- 広大なフラットバーン: コブだけでなく、基礎練習に最適な広い緩斜面も完備。初心者から上級者まで、自分の課題に向き合うには最高の環境です。
そして、滑り終わった後の楽しみは、場内に完備された浴場。 冷えた体と、パンパンに張った足の筋肉をお湯で解きほぐす。あの瞬間に、「あぁ、今日もおんたけに来てよかった」と心から思えるのです。
5. 次の世代へ。この景色を繋ぎたい

最近、嬉しい変化を感じています。 大きくなった自分の子供たちが、「おんたけに行きたい」と言うようになったのです。 SNSの影響か、あるいは本物の質を求める層が戻ってきたのか、若い世代の間でおんたけスキー場の人気が再燃しているように感じます。
彼らが「おんたけブルー」の下で歓声を上げている姿を見ると、改めて強く思います。 **「この場所を、絶対に閉鎖させてはいけない」**と。
確かに、強風でリフトが止まってしまうこともあります。厳しい自然環境ゆえのマイナス面もあります。しかし、それも含めての「おんたけ」なのです。
結びに:私たちができること
おんたけスキー場は今、大きな転換点に立っています。 経営危機のニュースを聞くたびに胸が締め付けられますが、私たちファンにできることは、ただ一つ。
「通い続けること」。そして、**「この魅力を伝え続けること」**です。
あの標高2,240mの世界を知っている人が一人でも増えれば、このスキー場の未来は変わるかもしれません。 もし、まだおんたけの雪を踏んだことがない方がいたら、ぜひ一度足を運んでみてください。そして、私と同じように「7A」に挑み、「最後の急斜面」で悔しい思いをしてみてください。
その時、あなたの頭上には、きっと忘れられないほど深い「おんたけブルー」が広がっているはずです。
あの最高の雪質と景色を、未来の子供たちにも残すために。 頑張れ、おんたけスキー場。

【編集後記】 この記事を読んで、久しぶりにおんたけに行きたくなった!という方は、ぜひシェアをお願いします。皆さんの思い出の「おんたけエピソード」も、コメント欄でぜひ教えてくださいね。


